訪問診療対象の疾患

留置カテーテル・膀胱瘻の管理

排尿に関する管理は、ご本人にとってもご家族にとっても、日々の生活の質(QOL)に直結する非常にデリケートかつ重要な問題です。「カテーテルが詰まったらどうしよう」「感染症が怖い」といった不安を抱えながら、定期的な交換のために通院を続けることは、心身ともに大きな負担となります。

そうした不安を解消し、住み慣れたご自宅で安心して療養生活を送るための選択肢として、「訪問診療」や「在宅医療」があります。医師が定期的にご自宅へ伺い、カテーテルの管理や全身状態のチェックを行うことで、通院の苦労をなくし、トラブルの予防につなげます。

訪問診療のご相談は、HPからのお問い合わせの他、直接、医師に話したいという方や、通院負担の移行を迷っている方向けに外来でのご相談も承っております。

疾患と訪問診療の対象

留置カテーテル・膀胱瘻の管理とは

尿道留置カテーテル(バルーンカテーテル)や膀胱瘻(ぼうこうろう)は、前立腺肥大症や神経因性膀胱、がんなどにより自力での排尿が困難な場合に、尿を体外へ排出するために用いられる医療処置です。

これらの管理において最も重要なのは、カテーテルの閉塞や尿路感染症などのトラブルを未然に防ぎ、清潔で安定した状態を保つことです。しかし、カテーテルの定期交換のためだけに病院へ通うことは、移動の困難な患者様にとって大きな負担となります。また、認知症などでご自身による管理が難しい場合、ご家族だけで全てのケアを担うには限界があります。訪問診療では、これらの医療処置を自宅で行うことで、通院の負担を軽減し、安定した療養生活を支えます。

訪問診療の対象となる方

主に以下のような状況にある方が、訪問診療の対象となります。

  • 足腰が弱っている、または認知機能の低下により、カテーテル交換のための通院が困難な方
  • カテーテルの閉塞や自己抜去などのトラブルが頻繁に起き、自宅での管理に不安がある方
  • 尿路感染症を繰り返しており、頻繁な医療的チェックと投薬が必要な方
  • 脳血管疾患の後遺症や神経難病などで、長期的なカテーテル留置が必要な方
  • 最期まで自宅で過ごしたいと希望されており、緩和ケアの一環として排尿管理が必要な方

当院の訪問診療サポート

在宅で直面する具体的な不安

カテーテルや膀胱瘻を造設しての在宅療養では、患者様やご家族は以下のような具体的な不安やトラブルに直面することが多くあります。

  • 夜間や休日にカテーテルが詰まり、尿が出なくなって苦しい思いをしないか
  • 尿の色が濁ったり、血尿が出たりした際の判断がつかない
  • 発熱や腰の痛みがあり、尿路感染症(腎盂腎炎など)が疑われる場合の対処
  • カテーテル挿入部から尿が漏れてしまい、皮膚がかぶれたり衣類が汚れたりする
  • 入浴や清拭など、管が入ったままでの日常生活のケア方法がわからない
  • 認知症により、患者様ご自身がカテーテルを抜いてしまう事故への恐怖

当院が提供できる専門的な治療・ケア

当院では、上記のような不安を解消し、安全に在宅療養を継続できるよう、以下の専門的な医療処置とケアを提供します。

  • 定期的なカテーテル交換と洗浄
    医師が計画的に訪問し、ご自宅でカテーテルの交換を行います。必要に応じて膀胱洗浄を行い、閉塞(つまり)のリスクを低減させます。
  • 感染症の早期発見と治療
    尿の性状や全身状態を定期的に観察し、尿路感染症の兆候があれば、直ちに抗生物質の投与などの治療を自宅で開始します。
  • トラブル時の緊急対応
    万が一、カテーテルが詰まったり抜けてしまったりした場合でも、「24時間365日の緊急往診体制」を整えているため、夜間・休日を問わず医師が駆けつけ処置を行います。
  • スキンケアと家族指導
    カテーテル挿入部や周囲の皮膚トラブル(発赤、ただれなど)に対する処置を行います。また、ご家族や介護者の方へ、日々の尿破棄の方法や清潔操作について丁寧に指導いたします。
  • 自己抜去対策
    必要に応じて、カテーテルの固定方法を工夫したり、介護のサポート体制を見直したりすることで、事故を未然に防ぐ対策を講じます。

在宅療養を始めるためのサポート体制

カテーテル管理が必要な在宅療養において、医師だけで全ての生活を支えることはできません。当院では、退院時には病院の主治医や看護師と綿密に連携し、これまでの経過や管理の注意点を確実に引き継ぎます。

また、日々の清潔ケアやカテーテルの洗浄管理においては、訪問看護師との連携が不可欠です。当院の医師は、ケアマネジャーや訪問看護ステーションと密に情報を共有し、チーム全体で患者様を見守る体制を構築します。さらに、介護保険サービスの「居宅療養管理指導」を活用することで、医療と介護が一体となった切れ目のないサービス提供が可能となり、ご家族の介護負担の軽減にもつなげます。

ご相談方法と診療開始までの流れ

当院は、墨田区、江東区、台東区、中央区、荒川区、江戸川区、千代田区を中心に訪問診療を提供しております。その他のエリアについても、患者様の状況やご希望に応じて対応可能な場合もございますので、個別にご相談ください。

① 外来でご相談いただく場合の流れ

外来でのご相談をご希望される場合の基本的な流れは以下の通りです。

  • 予約・受付: お待たせしないよう、お電話等で事前にご予約の上、ご来院ください。
  • 問診・相談: 現在の病状、通院に関するお悩み、ご家族の介護状況などをお伺いします。
  • 方針検討: 訪問診療に移行した場合の具体的なメリット・デメリットをご説明し、患者様にとって最適な治療方針を医師と一緒に検討します。

② 訪問診療を希望する場合の流れ

訪問診療をご希望される場合の基本的な流れは以下の通りです。

  • お問い合わせ:お電話またはホームページのお問い合わせフォームよりご連絡ください。
  • 事前面談・ご説明:相談員または看護師が、ご自宅や施設へ伺うか、お電話にて現在の状況を詳しく伺います。当院のシステムや費用についてもご説明します。
  • 診療開始:初回訪問日程を調整し、医師がご自宅へ伺い診療を開始します。

詳しい流れはこちらのページへ

留置カテーテル・膀胱瘻による自宅での療養不安や症状でお悩みなら、まずご相談ください

カテーテル管理に伴うトラブルや通院の負担は、我慢する必要はありません。「夜中に管が詰まるのが怖い」「通院が大変になってきた」など、留置カテーテル・膀胱瘻の在宅療養でお困りなら、まずご相談ください。

当院は、患者様とご家族がご自宅で安心して過ごせるよう、24時間365日の体制で全力サポートいたします。

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