訪問診療対象の疾患

パーキンソン病/パーキンソン症候群

病状の進行に伴い、身体の自由が利かなくなり、定期的な通院が大きな負担となっていませんか?パーキンソン病やパーキンソン症候群は、長期にわたる療養が必要な疾患です。「薬の効果が切れると動けない」「転倒が怖くて外出できない」といったお悩みを持つ患者様や、それを支えるご家族の負担は計り知れません。

私たちは、そのような不安に寄り添い、住み慣れた自宅で安心して過ごせるよう、訪問診療(在宅医療)を通じてサポートいたします。

訪問診療のご相談は、HPからのお問い合わせの他、直接、医師に話したいという方や、通院負担の移行を迷っている方向けに外来でのご相談も承っております。

疾患と訪問診療の対象

パーキンソン病/パーキンソン症候群とは

脳内のドパミン不足などが原因で、手足の震えや筋肉の強張り、動作が緩慢になるなどの症状が現れる進行性の疾患です。

初期は通院が可能でも、進行すると「すくみ足」やバランス障害による転倒リスクが高まります。また、薬効の変動(ウェアリング・オフ現象など)により、一日の中で動ける時間と動けない時間の差が激しくなることがあります。

このように病状が変化しやすく、通院のための移動自体が困難になったり、自宅での服薬管理や生活環境の調整がきめ細かく必要になったりする段階で、訪問診療が強力な支えとなります。

訪問診療の対象となる方

主に以下のような状況にある患者様が対象となります。

  • 歩行障害や姿勢反射障害があり、転倒のリスクが高く通院が困難な方
  • 日内変動(症状が良い時と悪い時の差)が激しく、予約時間の受診が難しい方
  • 嚥下機能(飲み込む力)が低下し、誤嚥性肺炎を繰り返している方
  • 認知機能の低下や幻覚・妄想などの精神症状があり、自宅でのケアに専門的な助言が必要な方
  • 最期まで住み慣れた自宅で過ごしたい、看取りを希望されている方

当院の訪問診療サポート

在宅で直面する具体的な不安

パーキンソン病の患者様やご家族は、自宅での生活において以下のような多くの不安や困り事を抱えていらっしゃいます。

  • 薬のコントロールが難しい: 薬が効きすぎて不随意運動(ジスキネジア)が出たり、逆に薬が切れて全く動けなくなったりする。
  • 転倒と骨折の恐怖: 自宅内のちょっとした段差や、方向転換の瞬間にバランスを崩して転倒してしまうのではないかと常に心配である。
  • 食事と排泄のトラブル: 飲み込みにくさによるムセ(誤嚥)や、頑固な便秘、頻尿などの自律神経症状に悩まされている。
  • 睡眠障害や精神症状: 夜間の不眠や日中の過度な眠気、リアルな幻視が見えることによる精神的な動揺がある。
  • 介護負担の増大: 進行に伴い介助量が増え、老老介護や家族の就労との両立が限界に近づいている。

当院が提供できる専門的な治療・ケア

当院では、上記のような不安を解消し、その人らしい生活を維持するために、以下のような専門的な医療・ケアを提供します。

  • 生活環境に合わせた服薬調整: 診察室だけでは分からない、ご自宅での実際の生活リズムや動作を確認しながら、きめ細かな薬の調整を行います。貼付剤や自己注射製剤(アポモルヒネ等)の導入・管理も可能です。
  • 誤嚥性肺炎の予防と栄養管理: 嚥下機能の評価を行い、食事形態の指導や、必要に応じて経管栄養(胃ろう等)の管理を行います。
  • 排便・排尿コントロール: 自律神経症状による便秘や排尿障害に対し、適切な投薬や処置を行い、不快な症状を緩和します。
  • 合併症の早期発見・治療: 褥瘡(床ずれ)の処置や、感染症の兆候を早期に捉え、重症化を防ぎます。
  • リハビリテーションとの連携: 身体機能の維持を目指し、訪問看護や訪問リハビリと連携して生活動作の指導を行います。

また、急な体調変化や転倒時にも安心して頂けるよう、「24時間365日の緊急往診体制」を整えております。夜間や休日でも、医師と連絡が取れ、必要に応じて往診いたします。

在宅療養を始めるためのサポート体制

在宅療養は、医師だけで支えるものではありません。当院は、地域の基幹病院や専門医療機関と連携しており、入院治療が必要になった際のスムーズな紹介が可能です。また、ケアマネジャー(介護支援専門員)や訪問看護ステーション、薬局、ヘルパーなど、多職種と密に情報を共有し、「チーム」として患者様を支えます。

特にパーキンソン病は特定疾患(難病)であり、医療保険と介護保険の双方が関わります。当院では、介護保険サービスの一つである「居宅療養管理指導」を行い、医師がケアマネジャー等に医学的な観点からケアプランのアドバイスを行うことで、医療と介護が一体となった切れ目のないサービス提供を実現します。

ご相談方法と診療開始までの流れ

当院は、墨田区、江東区、台東区、中央区、荒川区、江戸川区、千代田区を中心に訪問診療を提供しております。その他のエリアについても、患者様の状況やご希望に応じて対応可能な場合もございますので、個別にご相談ください。

① 外来でご相談いただく場合の流れ

外来でのご相談をご希望される場合の基本的な流れは以下の通りです。

  • ご予約・受付: お電話にてご予約ください。現在の状況を簡単にお伺いします。
  • 医師による診察・面談: 患者様の病状や生活背景を確認し、今後の治療方針や療養場所について一緒に検討します。
  • 方針の決定: 訪問診療が適している場合は、導入に向けた準備を進めます。

② 訪問診療を希望する場合の流れ

訪問診療をご希望される場合の基本的な流れは以下の通りです。

  • お問い合わせ: お電話またはホームページの専用フォームよりご連絡ください。
  • 事前面談・ご説明: 相談員や看護師が、病状やご要望をお伺いし、診療の仕組みや費用についてご説明します。
  • 初回診療日の決定・開始: 患者様やご家族のご都合に合わせて初回訪問日を決定し、定期的な診療を開始します。

詳しい流れはこちらのページへ

パーキンソン病/パーキンソン症候群による自宅での療養不安や症状でお悩みなら、まずご相談ください

パーキンソン病は、適切な薬物療法とリハビリ、そして周囲の理解とサポートがあれば、長く自宅で穏やかに過ごすことができる病気です。

「通院が大変になってきた」「家での生活が不安だ」と感じたら、無理をせず、まずは私たちにご相談ください。当院は、患者様一人ひとりの症状の変化に寄り添い、ご家族も含めた在宅生活を全力で支えます。皆様からのお問い合わせを心よりお待ちしております。

外来WEB予約外来WEB予約
お問い合わせお問い合わせ
電話する電話する