訪問診療対象の疾患

慢性腎臓病(保存期の在宅管理)

腎臓の機能が徐々に低下していく慢性腎臓病において、長年の通院治療は患者様ご本人だけでなく、付き添われるご家族にとっても大きな負担となります。「体がだるくて病院へ行くのがつらい」「食事療法や薬の管理が自宅でできるか不安」といったお悩みを抱えてはいませんか?

住み慣れたご自宅で、穏やかに、かつ適切な管理を行いながら療養生活を送るために、「訪問診療(在宅医療)」という選択肢があります。訪問診療のご相談は、HPからのお問い合わせの他、直接、医師に話したいという方や、通院負担の移行を迷っている方向けに外来でのご相談も承っております。

疾患と訪問診療の対象

慢性腎臓病(保存期の在宅管理)とは

慢性腎臓病(CKD)とは、腎臓の障害や機能低下が3ヶ月以上続く状態を指します。腎機能が低下すると、体内の老廃物や余分な水分を排出できなくなり、むくみ、高血圧、貧血、倦怠感など様々な症状が現れます。

「保存期」とは、透析導入前の段階、あるいは高齢などの理由で透析を行わない選択をした場合(保存的腎臓療法)の期間を指します。この時期は、腎機能の低下を少しでも遅らせるための厳密な管理、または尿毒症症状の緩和ケアが重要となります。しかし、病状の進行に伴い体力が低下し、定期的な通院自体が困難になるケースが少なくありません。訪問診療では、通院の負担をなくし、生活の場で医学的な管理を継続します。

訪問診療の対象となる方

主に以下のような状況にある方が、当院の訪問診療の対象となります。

  • 腎性貧血や尿毒症による倦怠感が強く、通院が困難な方
  • 高齢や認知症があり、服薬管理や食事制限の自己管理が難しい方
  • 透析病院への通院が体力的に厳しくなり、保存的治療(透析をしない選択)への移行を検討されている方
  • 心不全などの合併症があり、全身状態のきめ細やかな管理が必要な方
  • 最期までご自宅で過ごしたいと希望されている方(看取り対応)

当院の訪問診療サポート

在宅で直面する具体的な不安

慢性腎臓病の患者様やご家族は、自宅療養において以下のような不安や困りごとに直面しがちです。

  • 食事療法の限界: 塩分やカリウム、タンパク質の制限が必要だが、家庭でどこまで厳密にやればいいのか分からず、食事が楽しめない。
  • 薬の管理: 飲む薬の種類や量が多く、飲み忘れや飲み間違いが心配。
  • 体調の変化への恐怖: 急に足がむくんだり、息苦しくなったりした時にどう対処すればいいか分からない。
  • 透析判断の迷い: 透析を始めるべきか、それとも保存的治療を続けるべきか、家族だけで判断するのが難しい。
  • かゆみや痛み: 腎不全に伴う全身のかゆみや、体の痛みが強く、日常生活が辛い。

当院が提供できる専門的な治療・ケア

当院では、上記のような不安を解消し、安心してご自宅で過ごせるよう、以下のような医療処置や管理を行います。

  • 定期的な血液検査・尿検査: ご自宅で採血・採尿を行い、腎機能の推移(クレアチニン値やカリウム値など)を定期的にモニタリングします。
  • 内服薬の調整と管理: 検査結果に基づき、降圧薬や利尿剤、カリウム吸着薬などの処方を細かく調整します。薬剤師と連携し、飲みやすい形への変更も提案します。
  • 症状緩和のケア: むくみに対する利尿剤の調整や、腎性貧血に対する造血剤の注射、かゆみ止めや鎮痛薬を用いた緩和ケアを行います。
  • 輸液管理: 食事が十分に摂れない場合や脱水時には、ご自宅で点滴を行います。
  • 意思決定支援: 透析導入の是非や、人生の最終段階におけるケアの方針(ACP)について、患者様・ご家族の価値観を尊重しながら対話を重ね、納得のいく選択をサポートします。

また、当院は24時間365日の緊急往診体制を整えております。夜間や休日に息苦しさが増した場合や、体調が急変した場合でも、いつでも医師・看護師にご相談いただける体制で、在宅療養を支えます。

在宅療養を始めるためのサポート体制

慢性腎臓病の在宅療養は、医療だけで完結するものではありません。当院は、これまで通院されていた基幹病院や腎臓専門医との連携を密に行い、診療情報を共有します。

また、日々の生活を支えるためには、ケアマネジャーや訪問看護師との連携が不可欠です。特に介護保険サービス(居宅療養管理指導など)を活用することで、看護師による服薬確認や食事のアドバイス、ヘルパーによる生活援助など、医療と介護が一体となったサポートを受けることが可能になります。当院が窓口となり、多職種とスムーズに連携して療養環境を整えます。

ご相談方法と診療開始までの流れ

当院は、墨田区、江東区、台東区、中央区、荒川区、江戸川区、千代田区を中心に訪問診療を提供しております。その他のエリアについても、患者様の状況やご希望に応じて対応可能な場合もございますので、個別にご相談ください。

① 外来でご相談いただく場合の流れ

まずは、現在の病状や在宅医療への移行に関する不安をご相談ください。

  • 予約・受付: お電話またはWebから外来予約をお取りください。
  • 医師との面談: 現在の腎機能の状態、通院の課題、ご家族の状況などを伺います。
  • 方針の検討: 在宅医療に切り替えるタイミングや、具体的なケアの内容について一緒に検討します。

② 訪問診療を希望する場合の流れ

訪問診療をご希望の場合は、以下の手順でスムーズに開始できます。

  • お問い合わせ: お電話またはHPの専用フォームよりご連絡ください。相談員が対応いたします。
  • 事前面談: 患者様の状態や生活環境を確認し、訪問スケジュールや費用についてご説明します。入院中の場合は病院での面談も可能です。
  • 診療開始: 決定したスケジュールに合わせて、医師と看護師が定期訪問を開始します。

詳しい流れはこちらのページへ

慢性腎臓病(保存期の在宅管理)による自宅での療養不安や症状でお悩みなら、まずご相談ください

腎機能の低下に伴う体調の変化や、厳密な食事・服薬管理への不安は、患者様とご家族だけで抱え込むには大きすぎる負担です。

「通院が限界になってきた」「最期まで自分らしく自宅で過ごしたい」とお考えであれば、私たちにご相談ください。当院は、保存期の慢性腎臓病管理に精通した医療チームが、24時間体制で皆様の生活を支えます。まずは一度、外来でのご相談やお問い合わせをお待ちしております。

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