慢性心不全
「少し動いただけで息が切れてしまい、外出がおっくうになってしまった」「入退院を繰り返す生活に、本人も家族も疲弊している」といったお悩みはありませんか?
慢性心不全は、症状の変動により日常生活に大きな不安を伴う病気です。通院そのものが心臓に負担をかけてしまう場合、ご自宅で診察を受ける「訪問診療」や「在宅医療」という選択肢があります。住み慣れた自宅で、穏やかに、そして安心して療養生活を送るためのサポートを私たちは行っています。
訪問診療のご相談は、HPからのお問い合わせの他、直接、医師に話したいという方や、通院負担の移行を迷っている方向けに外来でのご相談も承っております。
疾患と訪問診療の対象
慢性心不全とは
慢性心不全とは、心臓のポンプ機能がさまざまな原因で低下し、全身に十分な血液を送り出せなくなる状態が続いていることです。
心不全は「良くなったり悪くなったり」を繰り返しながら、徐々に進行していく特徴があります。病状が不安定な時期は、通院のために移動すること自体が心臓への大きな負担となり、その疲れからまた体調を崩してしまうという悪循環に陥ることも少なくありません。
そのため、医学的な管理はもちろんのこと、生活の質(QOL)を維持するためには、通院の負担を減らし、心身ともにリラックスできる環境で療養することが非常に重要になります。
訪問診療の対象となる方
慢性心不全において、訪問診療の対象となるのは主に以下のような状況の方々です。
- 通院が身体的負担になっている方:少しの歩行や動作で息切れ(呼吸困難)が生じ、病院への往復が困難になっている方。
- 入退院を繰り返している方:症状の増悪により頻繁に入院が必要となり、自宅での生活を安定させたいと願っている方。
- 在宅酸素療法などの管理が必要な方:ご自宅で酸素濃縮器の使用や、厳密な服薬管理・水分管理が必要な方。
- 最期まで自宅で過ごしたいと希望される方:病状が進行しても、住み慣れた家で家族と共に時間を過ごしたいと考えている方。
当院の訪問診療サポート
在宅で直面する具体的な不安
慢性心不全の患者様やご家族は、ご自宅での生活において以下のような不安や悩みを抱えがちです。
- 夜間の急変への恐怖:「夜中に突然息苦しくなったらどうしよう」という、夜間・休日への強い不安。
- 体調変化の判断の難しさ:「足のむくみが強くなった」「体重が増えた」など、病院に行くべきかどうかの判断に迷う。
- 厳格な生活管理のストレス:塩分制限や水分制限、多数の種類の薬の管理を、家族だけで行うことへのプレッシャー。
- 家族の介護負担:食事の準備や入浴介助、通院の付き添いなど、介護者の疲労が蓄積している。
当院が提供できる専門的な治療・ケア
当院では、慢性心不全の特性を熟知した医師とスタッフが、上記の不安を解消し、ご自宅での療養を支えるために以下の医療を提供します。
- きめ細やかな病状観察と身体診察:聴診による心音・呼吸音の確認、浮腫(むくみ)のチェック、血圧・脈拍・酸素飽和度の測定などを定期的に行い、心不全の兆候を早期に発見します。
- 適切な薬物療法の調整:利尿剤や心保護薬など、日々の体調変化に合わせて内服薬の調整を細やかに行います。
- 在宅酸素療法の管理:呼吸状態に合わせて酸素流量の調整や機器の管理を行い、息苦しさの緩和を図ります。
- 生活指導と緩和ケア:塩分・水分管理の具体的なアドバイスや、苦痛を取り除くための緩和ケアを行い、穏やかな生活を支援します。
そして何より、当院には「24時間365日の緊急往診体制」があります。夜間や休日であっても、息苦しさや体調不良が生じた際には、いつでも連絡が取れ、必要に応じて医師が駆けつける体制を整えています。この安心感が、在宅療養を継続する大きな支えとなります。
在宅療養を始めるためのサポート体制
在宅療養は、医師だけで支えるものではありません。当院では、地域の医療・介護スタッフと密に連携し、チームで患者様をサポートします。
これまで通院していた病院の主治医とは、診療情報提供書を通じて経過を共有し、緊急時のバックアップ体制についても連携を図ります。また、日々の生活を支えるケアマネジャーや、こまめな健康チェックを行う訪問看護師とも常に情報を共有しています。
特に、介護保険サービスの一つである「居宅療養管理指導」を活用することで、医師や薬剤師がご自宅を訪問して療養上の管理・指導を行うことが可能です。医療と介護が一体となって切れ目のないサービスを提供することで、患者様らしい生活環境を整えていきます。
ご相談方法と診療開始までの流れ
当院は、墨田区、江東区、台東区、中央区、荒川区、江戸川区、千代田区を中心に訪問診療を提供しております。その他のエリアについても、患者様の状況やご希望に応じて対応可能な場合もございますので、個別にご相談ください。
① 外来でご相談いただく場合の流れ
まずは、現在の病状や在宅医療への移行について、外来で医師と直接相談したいという方のための流れです。
- ご予約・受付:お電話またはWeb予約にて外来診察をご予約ください。
- 医師による診察・相談:現在の症状、通院の困りごと、今後の希望をお伺いします。紹介状をお持ちの方はご持参ください。
- 治療方針の検討:訪問診療へ移行するか、外来通院を継続するかなど、最適な治療方針を一緒に決定します。
② 訪問診療を希望する場合の流れ
最初から訪問診療の利用をご検討されている場合の流れです。
- お問い合わせ:お電話またはホームページのお問い合わせフォームよりご連絡ください。
- 事前面談:相談員や看護師が、現在の病状やご家族の状況、ご要望を詳しく伺います。
- 診療開始:訪問スケジュールを調整し、定期的な訪問診療を開始します。
慢性心不全による自宅での療養不安や症状でお悩みなら、まずご相談ください
「息苦しさが強くなり、家にいるのが不安」「通院がつらくなってきたが、どうすれば良いかわからない」
そのようなお悩みをお持ちの際は、一人で抱え込まず、私たちにご相談ください。
慢性心不全は適切な管理とサポートがあれば、ご自宅でも安心して過ごすことができる病気です。当院は、患者様が住み慣れた場所で、ご家族と共に穏やかな時間を過ごせるよう、全力でサポートいたします。まずは一度、お気軽にお問い合わせください。

