訪問診療対象の疾患

前立腺がん

前立腺がんと診断され、治療を続ける中で、ご自宅での生活に不安を感じてはいませんか?

進行に伴う骨への転移による痛みや、排尿に関するトラブル、あるいはご高齢による通院の難しさなど、患者様ご本人だけでなく、支えるご家族様も多くの悩みを抱えていらっしゃることと思います。

住み慣れたご自宅で、痛みや苦しさを和らげながら、自分らしく穏やかな時間を過ごすために、「訪問診療(在宅医療)」という選択肢があります。私たちは、患者様が抱える身体的・精神的な痛みに寄り添い、安心して療養生活を送れるようサポートいたします。

訪問診療のご相談は、HPからのお問い合わせの他、直接、医師に話したいという方や、通院負担の移行を迷っている方向けに外来でのご相談も承っております。

疾患と訪問診療の対象

前立腺がんとは

前立腺がんは、男性特有の臓器である前立腺に発生するがんです。比較的進行が緩やかな場合も多いですが、病状が進行すると骨への転移(骨転移)を起こしやすく、強い痛みを伴うことがあります。また、尿の通り道が圧迫されることによる排尿障害が起きることも特徴です。

初期段階では外来通院でのホルモン療法や抗がん剤治療が可能ですが、骨転移による疼痛で動くことが辛い、高齢で体力が低下し通院が困難、排尿管理が常時必要といった状態になった場合、ご自宅で医療を受ける訪問診療への移行や併用が強く推奨されます。

訪問診療の対象となる方

主に以下のような状況にある患者様が対象となります。

  • 骨転移による腰や足の痛みが強く、病院への通院が身体的に大きな負担となっている方。
  • 尿道カテーテル(管)を留置しており、日々の管理やトラブル時の対応に不安がある方。
  • 抗がん剤治療やホルモン療法を継続しながら、副作用のケアを自宅で受けたい方。
  • ご高齢で認知症や他の疾患も抱えており、ご家族の通院介助が限界にきている方。
  • 最期の時間は病院ではなく、ご家族に囲まれた自宅で迎えたいと希望されている方。

当院の訪問診療サポート

在宅で直面する具体的な不安

前立腺がんの患者様やご家族は、ご自宅での療養において以下のような具体的な不安や困りごとに直面されることが多くあります。

  • 骨転移による痛み: 腰や背中、足の痛みが強く、寝返りやトイレへの移動すら辛い。
  • 排尿のトラブル: 尿が出にくい、頻尿、あるいは尿道カテーテルが詰まったり抜けたりしないか心配。
  • 急変時の対応: 夜間や休日に痛みが激しくなったり、熱が出たりした時にどうすればよいか分からない。
  • 介護の負担: 老老介護や独居のため、日常的なケアや薬の管理が十分にできるか不安。
  • 看取りへの不安: 最期まで苦しまずに過ごせるのか、家族としてどう支えればよいのか分からない。

当院が提供できる専門的な治療・ケア

当院では、上記のような不安を解消し、前立腺がんの患者様がご自宅で安心して過ごせるよう、以下のような専門的な医療処置と管理を提供しています。

  • 疼痛管理(緩和ケア): 骨転移特有の強い痛みに対し、内服薬だけでなく、貼付薬や医療用麻薬の持続皮下注射などを用いて、痛みを最小限に抑えるコントロールを行います。
  • 排尿管理・カテーテルケア: 尿道カテーテルや膀胱留置カテーテルの定期的な交換・管理をご自宅で行います。閉塞や感染などのトラブルにも迅速に対応します。
  • 全身状態の管理・処置: 貧血や脱水に対する点滴、床ずれ(褥瘡)の処置、便秘のコントロールなど、全身の状態をきめ細かく管理します。
  • 24時間365日の緊急往診体制: 夜間・休日を問わず、急な痛みの増強やカテーテルのトラブル、発熱などの際には、医師・看護師が連絡を受け、必要に応じて緊急往診を行います。いつでも医療者と繋がる安心感を提供します。

在宅療養を始めるためのサポート体制

訪問診療を開始するにあたっては、これまで治療を受けてこられた基幹病院(泌尿器科など)との連携が不可欠です。当院では、主治医の先生と密に情報共有を行い、治療方針を引き継ぎながら、在宅でのケアを行います。

また、ご自宅での生活を支えるためには、医療だけでなく介護の力も重要です。ケアマネジャーや訪問看護ステーション、ヘルパーとチームを組み、それぞれの専門性を活かしたサポート体制を構築します。

特に、介護保険サービスの一つである「居宅療養管理指導」を活用することで、医師や薬剤師が定期的に訪問し、療養上の管理や指導を行うことが可能です。医療と介護が一体となって、患者様とご家族の生活を支えます。

ご相談方法と診療開始までの流れ

当院は、墨田区、江東区、台東区、中央区、荒川区、江戸川区、千代田区を中心に訪問診療を提供しております。その他のエリアについても、患者様の状況やご希望に応じて対応可能な場合もございますので、個別にご相談ください。

① 外来でご相談いただく場合の流れ

訪問診療への移行を迷われている場合や、まずは医師と対面で話したい場合は、外来でのご相談が可能です。ご家族様のみでのご相談も承っております。

  • ご予約 お電話またはWEB予約フォームより、外来相談のご予約をお取りください。
  • ご来院・受付 保険証、お薬手帳、お持ちであれば紹介状(診療情報提供書)や検査データをご持参の上、受付にお越しください。
  • 医師による診察・ご相談 現在の病状や生活状況、ご本人・ご家族のご希望を医師がお伺いします。訪問診療の仕組みや、在宅で可能な治療について丁寧にご説明いたします。
  • 今後の方針決定 ご相談内容を踏まえ、訪問診療へ移行するか、外来通院を継続するかなど、今後の最適な療養方針を一緒に検討します。

② 訪問診療を希望する場合の流れ

訪問診療をご希望される場合の基本的な流れは以下の通りです。

  • お問い合わせ
    お電話またはホームページのお問い合わせフォームよりご連絡ください。
  • 事前面談・ご説明
    相談員(看護師やソーシャルワーカーなど)が、患者様・ご家族様と面談を行います。病状の確認や訪問診療のシステム、費用について詳しくご説明いたします。
  • 診療開始
    初回訪問の日程を調整し、医師と看護師がご自宅へお伺いして診療を開始します。

詳しい流れはこちら

前立腺がんによる自宅での療養不安や症状でお悩みなら、まずご相談ください

前立腺がんの進行に伴う痛みや排尿の悩み、通院の負担は、患者様ご本人はもちろん、ご家族にとっても大きなストレスとなります。「家で過ごしたいけれど、医療機器の管理や痛みのケアが心配」という方は、決して一人で抱え込まないでください。

当院では、患者様が住み慣れたご自宅で、痛みや不安を和らげながら、尊厳を持って穏やかに過ごせるよう、24時間体制で全力サポートいたします。前立腺がんの在宅療養でお困りなら、まずはお気軽にご相談ください。私たちと一緒に、最良の療養生活を考えていきましょう。

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