大腸がんと診断され、手術や化学療法などの治療を続ける中で、「体力が落ちて通院が辛くなってきた」「自宅で最期まで過ごさせてあげたいが、家族だけでケアできるか不安」といったお悩みを抱えてはいませんか？

住み慣れたご自宅で、患者様らしく穏やかな時間を過ごすための選択肢として、「訪問診療（在宅医療）」があります。医師や看護師が定期的にご自宅へ伺い、病院と変わらない安心感の中で療養生活を支えます。

訪問診療のご相談は、HPからのお問い合わせの他、直接、医師に話したいという方や、通院負担の移行を迷っている方向けに外来でのご相談も承っております。ご本人様はもちろん、支えるご家族様の不安も軽くなるよう、私たちが全力でサポートいたします。

疾患と訪問診療の対象

大腸がんとは

大腸がんは、結腸や直腸などの大腸に発生するがんです。初期には自覚症状が少ないものの、進行すると血便や便通異常、腹痛などが現れます。治療法には手術、化学療法（抗がん剤）、放射線治療などがありますが、進行度や患者様の体力によっては、積極的な治療よりも症状を和らげるケア（緩和ケア）が優先される場合もあります。

訪問診療が必要になるのは、がんの進行や治療の副作用により体力が低下し、外来通院が身体的な負担となるケースです。また、腸閉塞のリスク管理や、人工肛門（ストマ）のケアなど、医療的な処置が日常的に必要となる場合も、在宅での専門的なサポートが不可欠となります。

訪問診療の対象となる方

大腸がんを患い、以下のような状況にある方が訪問診療の対象となります。

• 通院が困難な状態の方： 足腰の筋力低下や全身倦怠感、強い痛みなどにより、病院への移動が辛い方。
• 継続的な医療処置が必要な方： 人工肛門（ストマ）の管理、中心静脈栄養（IVH）や点滴の管理、腹水への対応が必要な方。
• 緩和ケアを自宅で希望される方： 痛みや吐き気などの苦痛症状をコントロールしながら、自宅で穏やかに過ごしたい方。
• 自宅での看取りを希望される方： 最期の時間を住み慣れた家で、ご家族に見守られながら迎えたいと願う方。

当院の訪問診療サポート

在宅で直面する具体的な不安

大腸がんの患者様やご家族がご自宅で療養される際、以下のような不安や困りごとに直面することが多くあります。

• 排便コントロールの難しさ： 便秘や下痢を繰り返し、どう対処してよいかわからない。
• ストマ（人工肛門）のトラブル： パウチの交換がうまくいかない、皮膚がかぶれて痛い、漏れが心配で外出できない。
• 進行に伴う症状の悪化： 腸閉塞による腹痛や嘔吐、がん性疼痛が強くなった時に、自宅で薬の調整ができるか不安。
• 食事と栄養の悩み： 食欲が落ちて食べられない、何を食べさせたら良いかわからない、点滴だけで栄養が足りるのか心配。
• 急変時の対応： 夜間や休日に急に具合が悪くなった時、どうすれば良いか分からない。

当院が提供できる専門的な治療・ケア

当院では、上記のような不安を解消し、安心して在宅療養を継続できるよう、大腸がんの特性に合わせた専門的なケアを提供しています。

• 専門的な疼痛管理（緩和ケア）： 飲み薬だけでなく、貼付剤や持続皮下注射などを用い、患者様の痛みの強さに応じてきめ細やかに鎮痛薬を調整します。
• ストマ・排泄ケアの指導： 認定看護師とも連携し、ストマのトラブル対応やスキンケア、ご家族への処置指導を行います。また、摘便や浣腸などの排便コントロールも定期的に行います。
• 栄養管理と点滴療法： 口から食事が摂れない場合の高カロリー輸液（中心静脈栄養）の管理や、脱水補正のための点滴をご自宅で実施します。
• 腸閉塞症状への対応： 腹部の張りや吐き気に対し、減圧処置（状況による）や症状緩和のための投薬管理を行います。
• 24時間365日の緊急往診体制： 夜間・休日を問わず、患者様の容体が急変した際には、医師や看護師が速やかに対応・往診できる体制を整えています。いつでも連絡がつながる安心をお届けします。

在宅療養を始めるためのサポート体制

在宅療養は、医師だけでなく多職種がチームとなって支えます。当院は、これまで通院されていた基幹病院の主治医と密に連携を取り、治療経過や今後の情報を共有することで、切れ目のない医療を提供します。

また、日々のケアを担う訪問看護師や、介護サービスの調整役であるケアマネジャーとも常に連絡を取り合っています。介護保険サービスの一環である「居宅療養管理指導」を活用し、医師が定期的に医学的な観点からケアプランへの助言を行うことで、医療と介護が一体となった療養環境を整えます。ご家族だけで抱え込まず、プロフェッショナルなチームにお任せください。

ご相談方法と診療開始までの流れ

当院は、墨田区、江東区、台東区、中央区、荒川区、江戸川区、千代田区を中心に訪問診療を提供しております。その他のエリアについても、患者様の状況やご希望に応じて対応可能な場合もございますので、個別にご相談ください。

詳細はこちらのページへ

① 外来でご相談いただく場合の流れ

通院から在宅医療への移行を検討中の方や、まずは医師と対面で話したいという方は、外来でのご相談をご利用ください。

1. ご予約： お電話にて「外来相談希望」とお伝えください。
2. ご来院・面談： 患者様の現在の病状、ご家族の介護状況、ご不安な点などを医師が詳しく伺います。
3. 方針の検討： 在宅医療が適しているか、どのようなサポートが可能かを一緒に検討し、今後の治療方針をご提案します。

② 訪問診療を希望する場合の流れ

訪問診療の利用が既に決まっている場合や、通院が困難ですぐに訪問診療を開始したい場合の流れです。

1. お問い合わせ： お電話またはホームページのお問い合わせフォームよりご連絡ください。
2. 事前面談： 相談員（ソーシャルワーカー）等が、ご自宅または病院へ伺い、病状や生活状況の確認、制度の説明を行います。
3. 診療開始： 初回訪問の日程を調整し、医師と看護師がご自宅へ伺い診療を開始します。

詳しい流れはこちらのページへ

大腸がんによる自宅での療養不安や症状でお悩みなら、まずご相談ください

「痛みを取り除いてあげたい」「家でゆっくり過ごさせてあげたい」

大腸がんの在宅療養でお困りなら、まずご相談ください。私たちは、患者様が住み慣れた場所で、その人らしく最期まで尊厳を持って過ごせるよう、医療の力で支え続けます。

ご家族様の介護負担を軽減し、穏やかな時間を守るために、私たちが24時間体制でサポートいたします。些細なことでも構いません、まずはお話をお聞かせください。