訪問診療対象の症状

頭痛・腹痛・だるさが続く(心身症が心配)

原因のはっきりしない頭痛や腹痛、朝起きられないほどの強いだるさが続き、「学校や会社に行けない」「外出が怖い」と悩んでいませんか。内科や小児科で検査をしても「異常なし」と言われ、解決策が見つからずに苦しんでいるご本人様、そしてその様子を見守るご家族様の不安は計り知れません。心と体は密接に繋がっており、ストレスや環境の変化が身体症状として現れることは珍しくありません。無理に通院しようとすることで、かえって症状が悪化してしまうこともあります。

当院では、心身の不調により通院が困難な方のために、ご自宅での訪問診療を行っております。

訪問診療のご相談は、HPからのお問い合わせの他、直接、医師に話したいという方や、通院負担の移行を迷っている方向けに外来でのご相談も承っております。お一人で抱え込まず、まずはどのような形でも私たちにご相談ください。

訪問診療を検討すべき主な症状・状態

「心身症」や「起立性調節障害」などが疑われる場合、体調の変動が激しく、予約した日時に病院へ行くこと自体が大きなハードルとなります。また、待合室や人混みに対する不安が強い場合も、適切な医療から遠ざかってしまう原因となります。

下記のような状態や疾患に当てはまる場合は、無理な通院を続けず、訪問診療という選択肢をご検討ください。

状態の分類具体的な症状・状態関連疾患
自律神経・身体機能の不調朝起きられない、立ちくらみ、動悸、慢性的な頭痛・腹痛、倦怠感が強く日常生活に支障がある、食事摂取が困難または過食してしまう起立性調節障害(OD)、摂食障害(神経性やせ症・過食症)、過敏性腸症候群(※症状として対応)、慢性頭痛
不安・抑うつ・適応の問題気分の落ち込み、意欲の低下、強い不安感、パニック発作、人前での緊張、学校や職場環境への不適応、不登校・ひきこもりうつ病(思春期・若年者)、不安障害/パニック障害、社交不安障害、適応障害、統合失調症
発達特性・行動の問題こだわりが強い、不注意や多動による生活の困難、チック症状、ゲームやネットへの過度な没頭、昼夜逆転生活自閉スペクトラム症(ASD)、注意欠如・多動症(ADHD)、チック障害/トゥレット症候群、ゲーム障害・インターネット依存(依存症)

訪問診療で対応可能な医療処置・管理

心身の不調に対する訪問診療では、ご自宅という安心できる環境(セキュア・ベース)で、焦らず治療に向き合うことができます。患者様ご本人のペースを尊重しながら、以下のような処置や管理を行います。

  • 症状緩和のための薬物療法・管理:頭痛、腹痛、不眠、不安感などのつらい症状を和らげるための処方調整を行います。内服管理が難しい場合は、ご家族や訪問看護師と連携してサポートします。
  • 心理的サポートと環境調整:医師や看護師が定期的に訪問し、対話を重ねることで信頼関係を築きます。学校や職場への診断書作成、復帰に向けたスモールステップの提案など、社会的サポートも行います。
  • 栄養・生活リズムの管理:食事量が低下している場合の栄養状態のチェックや、昼夜逆転を改善するための生活リズム指導を行います。

自宅で実施可能な基本的な診療・検査

訪問診療では、大掛かりな設備を必要としない基本的な検査や処置はご自宅で完結できます。

  • バイタルチェック(血圧・脈拍・体温・酸素飽和度の測定)
  • 血液検査、尿検査
  • 身体診察(聴診・触診など)
  • 点滴・注射(脱水時の補液など)

在宅療養を始めるためのサポート体制

心身症や精神的な不調を抱える方の在宅療養には、医療だけでなく、多職種によるチームアプローチが不可欠です。当院では、必要に応じて地域の基幹病院(精神科・心療内科など)と連携し、専門的な治療が必要な際のスムーズな紹介体制を整えています。

また、日々の生活を支えるために、ケアマネジャーや訪問看護ステーションとも密に連携します。特に精神科訪問看護を利用することで、服薬確認や日々の悩み相談、生活リズムの整え方など、よりきめ細やかなサポートが可能になります。

さらに、介護保険サービス(居宅療養管理指導)を活用することで、医師や薬剤師がご自宅を訪問し、療養上の管理や指導を継続的に受けることができます。医療と介護(福祉)が一体となって患者様とご家族を支えることで、孤立を防ぎ、安心して療養生活を送れる体制を構築します。

早めの相談・検討が重要な理由(訪問診療のメリット)

心身の不調を「気の持ちよう」と放置したり、通院できない自分を責めたりすることは、症状の長期化や重症化(完全なひきこもりや二次障害など)を招く恐れがあります。訪問診療を早期に導入することには、大きなメリットがあります。

1. 通院の心理的・身体的負担からの解放

「通院しなければならない」というプレッシャー自体が、症状を悪化させる最大のストレス要因になることがあります。訪問診療に切り替えることで、通院の労力や待ち時間の苦痛がなくなり、心身のエネルギーを「回復」に向けることができます。

2. 安心できる環境での診察による本音の吐露

緊張を強いられる診察室とは異なり、ご自身の部屋や自宅のリビングで診察を受けることで、リラックスして医師と話すことができます。普段の生活環境を医師が直接見ることで、より実態に即した生活指導やアドバイスが可能になり、患者様も本音や悩みを話しやすくなります。

3. ご家族の不安軽減と共倒れの防止

「どう接していいかわからない」「このまま治らないのではないか」というご家族の不安に対しても、医師が定期的に訪問し相談に乗ることでサポートします。ご家族だけで抱え込まず、医療チームと悩みを共有することで、家庭全体の精神的な安定を守ります。

ご相談方法と診療開始までの流れ

当院は、墨田区、江東区、台東区、中央区、荒川区、江戸川区、千代田区を中心に訪問診療を提供しております。その他のエリアについても、患者様の状況やご希望に応じて対応可能な場合もございますので、個別にご相談ください。

① 外来でご相談いただく場合の流れ

訪問診療に迷っている方や、症状の相談をご希望の方は外来受診をご利用ください。

  • 予約・受付:電話またはWebで予約後、受付で症状と保険証を確認します。
  • 診察・相談:医師が症状について問診・診察を行います。
  • 今後の治療方針検討:診察結果に基づき、外来継続か訪問診療への移行かを患者様・ご家族と検討します。

② 訪問診療を希望する場合の流れ

通院困難な方、自宅での療養・ケアを希望される方は訪問診療をご検討ください。

  • お問い合わせ(HPフォーム/電話):現在の症状についてご相談ください。
  • 事前面談(情報共有・病状確認):訪問診療の適応確認と病状を詳しく伺うための面談(初回訪問)を行います。
  • 診療開始:診療計画を立案後、定期的な医師の訪問診療を開始します。

詳しい流れはこちらのページへ

頭痛・腹痛・だるさでお悩みなら、まずご相談ください

「誰にも理解してもらえない」「この辛さはいつまで続くのか」。出口の見えないトンネルの中にいるような不安を感じているかもしれません。しかし、適切な医療的サポートと環境調整を行うことで、少しずつ心と体は回復に向かいます。

私たちは、無理に通院を促すことはありません。まずはご自宅という安全な場所で、医師と一緒に「今できること」から始めてみませんか。ご本人様はもちろん、支えるご家族様からのご相談も心よりお待ちしております。

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