訪問診療対象の症状

息切れ・呼吸が苦しい

少し動くだけで息が上がり、日常生活に支障をきたしている患者様や、酸素ボンベの手配や移動の負担から通院が困難と感じているご家族の皆様。ご自宅での療養生活に、不安を感じてはいませんでしょうか。

当院では、住み慣れたご自宅で安心して過ごせるよう訪問診療を行っております。訪問診療のご相談は、HPからのお問い合わせの他、直接、医師に話したいという方や、通院負担の移行を迷っている方向けに外来でのご相談も承っております。

訪問診療を検討すべき主な症状・状態

「息切れ」や「呼吸困難」は、肺や心臓の疾患だけでなく、がんの進行や神経難病など、多岐にわたる原因で生じます。これらが進行すると、外出はおろか、家の中での移動や入浴、食事といった基本的な動作でも息苦しさを感じるようになります。

特に、酸素吸入が必要な状態や、呼吸苦による不安で外出が怖いと感じる場合は、無理をして通院を続けるよりも、医師が定期的に自宅へ伺う訪問診療への切り替えを検討すべき時期と言えます。

当院では、呼吸器疾患や循環器疾患の管理はもちろん、がんの緩和ケアや精神疾患まで幅広く対応しております。以下のような疾患・状態にある方はご相談ください。

状態の分類具体的な症状・状態関連疾患
がん(緩和ケア・看取り)疼痛管理、呼吸苦の緩和、終末期ケア肺がん、胃がん、大腸がん、食道がん、膵臓がん、肝臓・胆道がん、乳がん、前立腺がん、婦人科系がん、血液のがん・脳腫瘍など
呼吸器・循環器疾患在宅酸素療法、呼吸管理、抗凝固療法、心不全管理誤嚥性肺炎をくり返す、慢性呼吸不全/COPD(肺気腫)、気管支喘息(通院困難な方)、慢性心不全、心房細動など抗凝固療法の在宅管理
生活習慣病・慢性臓器障害インスリン注射、腹水・浮腫の管理、透析予防管理高血圧・脂質異常症の在宅管理、糖尿病(内服・インスリン管理)、慢性腎臓病(保存期の在宅管理)、肝硬変・腹水管理
神経難病・脳血管疾患麻痺、嚥下障害、呼吸筋麻痺への対応脳卒中後遺症(片麻痺・嚥下障害など)、パーキンソン病/パーキンソン症候群、ALSなど神経難病
認知症・精神疾患BPSD(周辺症状)、意欲低下、不安、ひきこもり認知症(行動・心理症状ふくむ)、うつ病、統合失調症、不安障害/パニック障害、社交不安障害、適応障害、うつ病(思春期・若年者)
発達障害・その他行動特性への理解・対応、依存症ケア自閉スペクトラム症(ASD)、注意欠如・多動症(ADHD)、チック障害/トゥレット症候群、摂食障害(神経性やせ症・過食症)、ゲーム障害・インターネット依存(依存症)、起立性調節障害(OD)
医療処置・管理カテーテル管理、栄養管理、ストーマケア胃ろう・経管栄養の管理、中心静脈栄養(ポート/IVH)の管理、留置カテーテル・膀胱瘻の管理、ストーマ(人工肛門・人工膀胱)のトラブルケア

訪問診療で対応可能な医療処置・管理

息切れや呼吸困難を抱える患者様に対し、症状を和らげ、苦痛を最小限にするための処置を行います。在宅酸素療法(HOT)の導入・管理調整や、がん末期や心不全末期におけるモルヒネなどの医療用麻薬を用いた呼吸困難の緩和ケア(鎮静含む)に対応します。また、痰の貯留に対する吸引指導や、吸入薬の調整など、きめ細やかな管理を実施します。

自宅で実施可能な基本的な診療・検査

医師が聴診により呼吸音や心音を確認し、血圧、脈拍、経皮的動脈血酸素飽和度(SpO2)の測定を行います。必要に応じて血液検査や尿検査を行い、全身状態を把握します。これらにより、感染症の兆候や病状の変化を早期に発見し、適切な処置につなげます。

在宅療養を始めるためのサポート体制

安全な在宅療養には、多職種との連携が不可欠です。当院は、基幹病院の主治医と情報を共有し、治療方針を引き継ぎます。また、日々のケアを担当する訪問看護師やケアマネジャーと緊密に連携を取り、患者様の生活を支えます。

さらに、介護保険制度における「居宅療養管理指導」を活用し、医師がケアマネジャー等へ医学的な観点からケアプランのアドバイスを行うことで、医療と介護が一体となったサポートを提供します。

早めの相談・検討が重要な理由(訪問診療のメリット)

1. 急性増悪の予防と早期対応

呼吸器や心臓の疾患は、風邪などの些細なきっかけで急激に悪化(急性増悪)することがあります。定期的な訪問診療により、平時の状態を医師が把握しているため、小さな変化を見逃さず、早期の治療介入が可能となり、緊急入院のリスクを減らせます。

2. 通院負担の解消によるQOL向上

「病院に行くだけで疲れてしまい、数日寝込んでしまう」といった身体的・精神的な負担がなくなります。通院に使っていた時間と体力を、ご自宅での趣味やご家族との団らんに充てることができ、穏やかな生活を取り戻すことができます。

3. 住み慣れた場所での最期

がんや慢性疾患の終末期において、「最期は家で過ごしたい」という希望を叶えます。呼吸苦などの苦痛を緩和する医療処置をご自宅で提供できるため、ご家族に見守られながら、自分らしく安らかな時間を過ごすことが可能です。

ご相談方法と診療開始までの流れ

当院は、墨田区、江東区、台東区、中央区、荒川区、江戸川区、千代田区を中心に訪問診療を提供しております。その他のエリアについても、患者様の状況やご希望に応じて対応可能な場合もございますので、個別にご相談ください。

① 外来でご相談いただく場合の流れ

訪問診療に迷っている方や、症状の相談をご希望の方は外来受診をご利用ください。

  • 予約・受付: 電話またはWebで予約後、受付で症状と保険証を確認します。
  • 診察・相談: 医師が症状について問診・診察を行います。
  • 今後の治療方針検討: 診察結果に基づき、外来継続か訪問診療への移行かを患者様・ご家族と検討します。

② 訪問診療を希望する場合の流れ

通院困難な方、終末期で在宅緩和ケアを希望される方は訪問診療をご検討ください。

  • お問い合わせ(HPフォーム/電話): 現在の症状についてご相談ください。
  • 事前面談(情報共有・病状確認): 訪問診療の適応確認と病状を詳しく伺うための面談(初回訪問)を行います。
  • 診療開始: 診療計画を立案後、定期的な医師の訪問診療を開始します。

詳しい流れはこちらのページへ

息切れ・呼吸が苦しいでお悩みなら、まずご相談ください

「息が苦しい」という症状は、患者様にとって大きな不安と恐怖を伴います。私たちはその辛さに寄り添い、医療の力でご自宅での生活を支えます。一人で抱え込まず、まずは一度、当院までご相談ください。安心して過ごせる毎日を一緒に作っていきましょう。

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