院長コラム

    「なんだか最近、不調…」と感じるあなたへ。それ、更年期かもしれません。

    「なんだか最近、疲れやすい」「理由もなくイライラしてしまう」「仕事に集中できない」…

    年齢のせいかな? 疲れがたまっているだけかな? そう思って、やり過ごしていませんか。

    もしかしたら、その不調のサインは「更年期」が原因かもしれません。

    「更年期」と聞くと、女性だけの問題だと思われがちですが、実は男性にも訪れる、人生の自然な転換期です。かつては一人で抱え込むしかなかったこの悩みも、今では多くの人が経験する大切なテーマとして、社会全体で理解しようという動きが広がっています。

    私たち、すみだ両国まちなかクリニックは、「この街にあってよかった」と心から思っていただける、あなたの「かかりつけ医」でありたいと願っています。身体の不調はもちろん、それに伴う心の不安にも優しく寄り添い、この街で暮らす皆さまの毎日を支えることが私たちの使命です。

    このコラムでは、女性の更年期、そしてまだあまり知られていない男性の更年期について、皆さまの「これってどうして?」という疑問に、医師として分かりやすくお答えしていきます。

    あなたや、あなたの大切な人が、この時期を少しでも楽に、そして自分らしく過ごせるように。このお話が、そのための小さなヒントになれば嬉しいです。

    女性のからだの転換期:「これって更年期?」と思ったら

    多くの女性が50歳前後の10年間(45歳~55歳頃)に経験するのが「更年期」です。この時期に感じる様々な心と体の不調は、決して「気のせい」や「年齢のせい」で片付けられるものではありません。体の中で起きているホルモンの大きな変化が原因なのです。

    なぜ不調が起きるの? ― 脳の司令塔の「パニック」

    更年期の不調の根本的な原因は、卵巣の働きが少しずつお休みモードに入り、女性ホルモン「エストロゲン」が減っていくことです。

    1. エストロゲンが減少する:年齢とともに、卵巣からのエストロゲン分泌が自然と減っていきます。
    2. 脳が「もっと出して!」と指令を出し続ける:体がエストロゲン不足を感じると、脳の司令塔である「視床下部」は、「もっとホルモンを出して!」と卵巣に指令を送り続けます。しかし、卵巣はもうその指令に十分応えることができません。
    3. 司令塔が混乱し、自律神経が乱れる:この視床下部は、ホルモンだけでなく、体温や汗、心臓のドキドキ、気分のコントロールなどを担当する「自律神経」の親玉でもあります。指令を出し続けても反応がないため視床下部が混乱し、そのパニックが自律神経にも伝わって、バランスがガタガタになってしまうのです。

    この自律神経の乱れこそが、ほてりやイライラなど、人によって様々に現れる更年期症状の正体です。

    こんな症状、ありませんか? ― 更年期のサインは人それぞれ

    更年期のサインは「ホットフラッシュ」だけではありません。本当にたくさんの種類があり、どの症状が強く出るかは人によって全く違います 5

    • 急にカッと熱くなる、汗が止まらない(血管運動神経症状)
    • ホットフラッシュ(ほてり・のぼせ):突然、顔や胸のあたりがカッと熱くなり、滝のように汗が噴き出す症状です。人前にいる時に起きると、本当に困ってしまいますよね。
    • 異常な汗、逆に手足は冷たい:暑くもないのに汗がダラダラ出たり、逆に手足が氷のように冷たくなったりします。
    • 体のアチコチに現れる不調(身体的症状)
    • とにかく疲れる、だるい:しっかり寝ても疲れが取れず、一日中体が重い感じがします。
    • 肩こり、腰痛、関節の痛み:体の節々が痛むようになります。
    • めまい、動悸、息切れ:急に心臓がドキドキしたり、フワフワするようなめまいを感じたりします。
    • 頭痛:今まで頭痛持ちではなかったのに、ズキズキと痛むことが増えます。
    • 肌や粘膜の乾燥:肌がかゆい、目が乾く(ドライアイ)、デリケートゾーンが乾燥してヒリヒリするなど、うるおい不足を感じます。
    • 心のアップダウンが激しい(精神的症状)
    • イライラ、不安でたまらない:ささいなことでカッとなったり、理由もなく胸がザワザワして不安になったりします。
    • 気分が落ち込む、やる気が出ない:「何もしたくない」と感じ、今まで楽しかったことにも興味が持てなくなります。
    • 眠れない:寝つきが悪い、夜中に何度も目が覚める、朝早くに目が覚めてしまうなど、ぐっすり眠れなくなります。

    これらの症状は、一つだけ現れることもあれば、いくつも重なって現れることもあります。例えば、夜中にホットフラッシュで目が覚めてしまい(血管運動神経症状)、寝不足になる(精神症状)。そのせいで日中だるくて仕事に集中できない(身体的・精神症状)…というように、悪いサイクルに陥ってしまうことも珍しくありません。

    「更年期だから」と我慢しないで

    これらの症状を「更年期だから仕方ない」と一人で抱え込むのはとても危険です。なぜなら、よく似た症状を起こす別の病気が隠れている可能性もあるからです。

    特に、甲状腺の病気は、疲れやすさや動悸、気分の落ち込みなど、更年期症状とそっくりなサインを出すことがあります。更年期世代の女性に多い病気でもあるため、きちんと見分けることが非常に重要です。

    当院では、まずあなたのお話をじっくりと伺います。その上で血液検査を行い、女性ホルモンの値だけでなく、甲状腺ホルモンの値もしっかりチェックします。他の病気の可能性をきちんと確かめた上で、あなたに合った一番良い方法を一緒に考えていきましょう。

    男性にもあるんです:「なんだかやる気が出ない…」その正体とは?

    「更年期は女性のもの」と思っていませんか?実は、男性にもホルモンの変化によって心と体に不調が起きる時期があります。これを「男性更年期障害(LOH症候群)」と呼びます。

    女性の更年期が「閉経」という分かりやすい節目があり、ホルモンが急降下するのに対し、男性の場合は40代以降、男性ホルモン「テストステロン」が、まるで坂道をゆっくり下るように、少しずつ、でも確実に減っていきます。この静かな変化のために、本人も周りも「年のせい」「仕事の疲れ」と思い込んでしまい、本当の原因に気づきにくいのが大きな問題です。

    元気とやる気の源「テストステロン」

    テストステロンは、単に性的な機能に関わるホルモンではありません。筋肉や骨を強く保ち、お腹の脂肪がつくのを防ぐなど、体の若々しさを保つために欠かせない存在です。

    そしてもっと大切なのが、テストステロンが「心」のエネルギー源であるということです。やる気、決断力、集中力といった前向きな気持ちを支え、「よし、やるぞ!」という活力を生み出しています。テストステロンが減るということは、体だけでなく、心のガソリンが切れてしまうような状態なのです。

    なぜ減ってしまうの? ― 加齢と「ストレス」のダブルパンチ

    テストステロンは20代をピークに誰でも少しずつ減っていきますが、男性更年期の発症には、加齢以上に「ストレス」が大きく関係しています。

    仕事のプレッシャーや人間関係の悩みなど、強いストレスが長く続くと、体は「コルチゾール」というストレスホルモンを大量に作り出します。実はこのコルチゾールとテストステロンはシーソーのような関係にあり、コルチゾールが増えると、テストステロンの生産が抑えられてしまうのです。現代社会の慢性的なストレスは、知らず知らずのうちにあなたの「元気とやる気の源」を奪っているのかもしれません。

    さらに、肥満も大敵です。脂肪細胞は、テストステロンを女性ホルモンに変えてしまう働きがあるため、太れば太るほど男性ホルモンが減ってしまうという悪循環に陥ります 。その他、睡眠不足や運動不足もテストステロンを減らす原因になります。

    心・体・性のSOSサイン

    男性更年期の症状も人それぞれですが、大きく3つのサインに分けられます。

    • 心の不調(精神症状):最もつらく、生活に大きな影響を与えます。
    • やる気が出ない、集中できない:「なんだかやる気が出ない」「仕事に集中できず、ミスが増えた」というのは、代表的なサインです。
    • 気分の落ち込み、イライラ:理由もなく落ち込んだり、将来が不安になったり、ささいなことでカッとなりやすくなります。
    • 眠れない:寝つきが悪い、夜中に目が覚めるなど、ぐっすり眠れません。
    • 体の不調(身体症状):全身の活力がなくなり、様々なサインが現れます。
    • とにかくダルい、疲れが抜けない:休んでも疲れが取れず、体が重く感じます。
    • 筋力の低下、関節や筋肉の痛み:急に体力が落ちたと感じたり、体の節々が痛んだりします。
    • お腹が出てきた(内臓脂肪の増加):特に、お腹周りに脂肪がつきやすくなります。
    • ほてり、汗をかく:女性のホットフラッシュと同じような症状が出ることもあります。
    • 性の不調(性機能症状):とてもデリケートな問題ですが、大切なサインです。
    • 性的な興味が薄れる
    • 朝立ちの回数が減る、ED(勃起障害)

    「うつ病」や「燃え尽き症候群」との間違い

    ここで非常に大切なことがあります。それは、男性更年期の心の不調が、「うつ病」や、仕事に打ち込みすぎた結果やる気を失う「燃え尽き症候群」と、症状がそっくりだということです。

    「うつ病だ」と思って心療内科で薬をもらっても一向に良くならない…という方の中に、実は男性更年期障害が隠れているケースが少なくありません。仕事のストレスが原因だと思っていたら、実はストレスでテストステロンが減ったことが、やる気が出ない直接の原因だった、ということも多いのです。

    この違いを見分ける鍵が、血液検査でテストステロンの値を測ることです。客観的な数値を見ることで、初めて本当の原因が分かり、あなたに合った正しい治療を始めることができるのです。

    女性と男性の更年期 ここが違う!早わかり比較

    特徴女性の更年期男性の更年期(LOH症候群)
    主役のホルモンエストロゲン(急に減る)テストステロン(ゆっくり減る)
    いつ頃から?50歳前後(閉経が目安)40代以降、気づかないうちに。若い人でも起こる
    いつまで続く?閉経後、数年で落ち着くことが多い治療しないと、長く続くことも
    体のサインほてり、のぼせ、汗、デリケートゾーンの乾燥だるさ、筋力低下、お腹ポッコリ、関節の痛み
    心のサイン不安、気分のムラ、眠れないやる気が出ない、落ち込み、イライラ、集中できない
    性のサイン性交時の痛み、興味の低下興味の低下、ED(勃起障害)
    診断の決め手閉経、血液検査(FSHなど)血液検査(テストステロン)

    仕事のパフォーマンスが落ちた?更年期とキャリアの話

    更年期の問題は、個人の健康だけの話ではありません。40代、50代は、職場で一番頼りにされる世代。この時期の不調は、あなたの仕事やキャリアに大きな影響を与え、「更年期ロス」として社会的な問題にもなっています。

    「怠けてる」わけじゃないのに…仕事への影響

    更年期の様々な症状は、仕事のパフォーマンスに直接響きます。

    • 集中できない、考えがまとまらない:頭にもやがかかったような「ブレインフォグ」と呼ばれる状態で、仕事の効率が落ちたり、思わぬミスをしてしまったりします。
    • やる気が出ない:あんなに情熱を注いでいた仕事なのに、どうしてもやる気が出ない。周りからは「怠けている」と誤解され、つらい思いをすることも。
    • 人間関係がギクシャクする:イライラして、つい部下や同僚にキツい言い方をしてしまい、後で自己嫌悪に…なんてこともあります。

    こうした状況が続くと、「自分はもうダメだ」「職場に迷惑をかけている」と感じ、昇進を諦めたり、責任の軽い部署への異動を考えたり、最悪の場合は会社を辞めてしまうことにも繋がりかねません。

    見過ごせない経済的な影響

    この「更年期ロス」は、日本全体で見ると、とても大きな経済的損失を生んでいます。経済産業省の調査では、更年期症状が原因で仕事のパフォーマンスが落ちたり、休んだり、辞めたりすることによる経済的な損失は、女性で年間約1.9兆円、男性でも約1.2兆円にもなると試算されています。これは、経験豊かな貴重な人材が、本来の力を発揮できなくなっている、非常にもったいない状況だと言えます。

    職場に必要なのは「理解」と「サポート」

    これほど大きな問題なのに、職場で「実は更年期でつらくて…」と相談できる雰囲気は、まだ十分とは言えません。特に男性は、「男だから弱音は吐けない」という気持ちから、一人で抱え込んでしまう傾向があります。

    この状況を変えるためには、会社全体で取り組むことが大切です。

    1. みんなで知ること:男女関係なく、すべての社員が更年期について正しい知識を持つための研修などを開く。
    2. 相談できる場所を作ること:産業医や専門の相談窓口など、安心して話せる場所を用意する。
    3. 柔軟な働き方を認めること:体調に合わせてテレワークや時差出勤、時間単位の休みを取れるようにするなど、治療と仕事を両立できる環境を整える。

    特に、男性の更年期による1.2兆円もの経済損失は、決して仕方ないコストではありません。そのほとんどは、正しい知識がないために「診断されていない」「治療されていない」ことから生まれています。あなた自身と、あなたの上司が正しい知識を持ち、早めにクリニックに相談することができれば、この損失の多くは防げるのです。更年期について学ぶことは、社員を守るだけでなく、会社の未来を守るための大切な投資と言えるでしょう。

    私たちにできること:すみだ両国まちなかクリニックの治療法

    私たち、すみだ両国まちなかクリニックは、この両国の皆さまの「かかりつけ医」として、更年期という人生の節目を迎えた方々の悩みに、専門家として、そして一人の人間として、温かく向き合いたいと思っています。特に、どこに相談していいか分からないという声が多い「更年期外来」を設け、一人ひとりに合った最適な治療を提供できる体制を整えています。

    あなただけの治療プランを立てるために

    私たちは、「きっとこうだろう」という思い込みで診断することはありません。あなたの言葉と、客観的なデータに基づいて、丁寧に診断を進めます。

    まずは、あなたのお話をじっくり聞かせてください。いつから、どんなことでお困りですか?仕事や生活にどんな影響がありますか?などをお伺いし、症状のつらさを客観的に把握します。

    そして、診断の決め手となるのが血液検査です。

    • 男性の場合:元気の源であるテストステロンの量を血液検査にて測ります。また、治療を始める前には、前立腺に問題がないかを確認するためのPSA検査も行います。
    • 女性の場合:女性ホルモンの値はもちろん、症状が似ている甲状腺の病気がないかもしっかりと確認し、総合的に判断します。

    男性のための「元気を取り戻す」治療法

    当院では、診断結果とあなたのライフプランに合わせて、最適な治療法を一緒に考えます。特に男性更年期外来では、大きく分けて2つの治療法をご提案できます。

    元気ホルモンを直接チャージ!「テストステロン補充療法(エナルモンデポー注射)」

    足りなくなったテストステロンを、注射で直接補う、最も基本的な治療法です。

    • どんな治療?:「エナルモンデポー」というお薬を、2~4週間に1回のペースで筋肉に注射します。注射されたお薬は、体の中でゆっくりと溶け出し、安定して効果を発揮します。
    • どんな効果があるの?:個人差はありますが、多くの方が3~6週間ほどで気分の改善ややる気アップを感じ始めます。筋力アップなどの体つきの変化は、数ヶ月かけて現れてきます。
    • 安全性は?:安全な治療ですが、私たちは安全を第一に考えています。
    • 血液の濃さ(ヘマトクリット値)のチェック:テストステロンには血を作る働きがあるため、まれに血が濃くなりすぎることがあります(多血症)。血が濃くなると血栓(血の塊)ができやすくなるリスクがあるため、定期的に血液検査でチェックし、数値が高くなりすぎた場合は、お薬の量を調整したり、一時的にお休みしたりします。
    • 前立腺(PSA値)のチェック:この治療が前立腺がんを新たに引き起こすことはありませんが、もし隠れたがんがあった場合に、その成長を速めてしまう可能性がゼロではありません。そのため、治療前と治療中に定期的にPSA値をチェックし、安全を確認しながら進めます。

    あなた自身の「元気工場」を再稼働!「精巣刺激療法(hCG注射)」

    外からホルモンを補うのではなく、あなた自身の体(精巣)がテストステロンを作る力をもう一度引き出す治療法です。

    • どんな仕組み?:「hCG」というお薬を注射すると、それが脳からの指令の代わりとなって精巣を直接刺激し、「自分の力でテストステロンを作りなさい!」と働きかけます。
    • 最大のメリットは?:テストステロン補充療法(エナルモンデポー)は、外からホルモンを入れるため、体は「もう十分ホルモンがある」と勘違いし、精子を作る働きをお休みしてしまいます。一方、hCG療法は精巣の働きを活発にするので、
      元気を取り戻しながら、将来子どもを授かるための精子を作る能力(妊孕性)を保つことができます。そのため、更年期症状に悩みつつも、将来パパになる可能性を残しておきたい若い世代の男性には、まず考えていただきたい治療法です。
    • どうやって治療するの?:通常、週に1~2回程度の注射が必要になります。

    当院がこの2つの選択肢をご用意しているのは、治療の目的が単に数値を正常に戻すことだけではないからです。あなたの年齢、症状、そして「これからどんな人生を送りたいか」という想いに寄り添い、一番合った医療を届けること。それが私たちの考える、本当のオーダーメイド治療です。

    あなたに合うのはどっち?男性更年期治療の選択肢

    特徴元気ホルモンを直接チャージ!(エナルモンデポー)あなた自身の「元気工場」を再稼働!(hCG注射)
    治療の仕組み足りない分を外から注射で補う自分の体でテストステロンを作る力を引き出す
    精子を作る能力への影響お休みモードになる(妊孕性は低下する)維持、またはアップする(妊孕性は保たれる)
    こんな人におすすめ・将来、子どもを望む予定がない方 ・とにかく早く症状を楽にしたい方・将来、子どもを望む可能性がある方 ・自分の体の力を活かした治療がしたい方
    通院のペース2~4週間に1回週に1~2回
    特に注意して見ること血液の濃さ(ヘマトクリット値)、前立腺(PSA値)症状が良くなっているか

    今日からできるセルフケア:心と体を元気にする生活のヒント

    クリニックでの治療と合わせて、毎日の生活を少し見直すことで、心と体はもっと元気になります。治療の効果を高め、長期的に健康を保つために、ご自身でできることに取り組んでみましょう。

    男性のための元気アップ生活術

    テストステロンを自然に増やす、科学的にも効果が認められている生活習慣です。

    • 運動筋トレが一番です!特にスクワットなど、足腰の大きな筋肉を鍛える運動はテストステロンを増やすのに効果的です。まずは自宅でできる簡単なメニューから、週2~3回始めてみませんか。少しキツいと感じるくらいの短時間の運動(HIIT)もおすすめです。
    • 食事:バランスの良い食事が基本ですが、特に元気の源になる栄養素を意識してみましょう。
    • 亜鉛:テストステロン作りに欠かせません。牡蠣や牛肉の赤身、レバーに多く含まれます。
    • ビタミンD:テストステロンを増やす働きがあります。サケやサバなどの魚、きのこ類、卵を積極的に摂りましょう。日光を浴びることでも体内で作られます。
    • 良質なタンパク質と脂質:ホルモンの材料になります。肉、魚、卵、ナッツ類もしっかり食べましょう。
    • 睡眠:テストステロンは、ぐっすり眠っている間に作られます。睡眠不足はテストステロンをガクッと減らしてしまいます。毎日7~8時間は眠るように心がけましょう。
    • ストレス解消:ストレスはテストステロンの大敵です。趣味に没頭する、自然の中を散歩する、ゆっくりお風呂に入るなど、あなたに合った方法で上手にストレスを発散させましょう。

    女性のためのゆらぎ期を乗り切る生活術

    女性の更年期も、生活習慣を見直すことで症状が和らぎ、これからの健康を守ることに繋がります。

    • 食事:骨がもろくなるのを防ぐため、カルシウム(乳製品、小魚、豆腐など)と、その吸収を助けるビタミンDをしっかり摂りましょう。大豆製品に含まれるイソフラボンは、女性ホルモンと似た働きをしてくれるお助け成分です。
    • 運動:ウォーキングなどの有酸素運動に加えて、骨を強くするために、少し負荷のかかる筋トレやかかとの上げ下ろし運動なども取り入れると良いでしょう。
    • リラックス:ヨガや好きな香りのアロマを焚くなど、心からリラックスできる時間を持つことが、乱れがちな自律神経を整え、心の安定に繋がります。

    パートナーとご家族の方へ:一番の薬は「理解」と「思いやり」です

    更年期は、ご本人だけでなく、一番近くにいるパートナーやご家族との関係にも影響を与えることがあります。イライラや気分の落ち込みは、時にすれ違いを生んでしまうかもしれません。この時期を乗り越えるために、何よりも大切なのはお互いの理解と協力です。

    • 今、不調でつらいあなたへ:どうか、一人で抱え込まないでください。「今、ホルモンのせいでちょっとしんどいんだ」とパートナーに伝えるだけでも、相手の受け止め方は変わります。「ただ話を聞いてほしい」「少しだけ家事を手伝ってほしい」など、具体的にどうしてほしいかを伝えてみましょう。
    • パートナーの不調に気づいたあなたへ:「年のせいだよ」「気の持ちようじゃない?」といった言葉は、相手を深く傷つけてしまいます。「つらそうだね」「何かできることある?」と、まずは相手のつらさに寄り添う一言をかけてあげてください。家事を代わってあげたり、一緒に散歩に誘ったり、「一緒に乗り越えよう」という気持ちを伝えることが、何よりの力になります。

    おわりに:いつでもお気軽にご相談ください。

    この長いコラムを読んでくださり、ありがとうございます。

    私が一番お伝えしたかったのは、女性にとっても男性にとっても、更年期は誰にでも訪れる自然な変化であり、その不調は決して「気合」や「我慢」で乗り切るものではない、ということです。

    やる気が出ないのも、イライラするのも、体がだるいのも、あなたのせいではありません。それは、ホルモンの変化が引き起こしている、きちんと治療ができる医学的な状態なのです。特に男性の更年期障害は、うつ病などと間違われやすく、誰にも言えずに一人で悩み、自信を失っている方が本当にたくさんいらっしゃいます。

    私たち、すみだ両国まちなかクリニックは、この街の「かかりつけ医」として、皆さま一人ひとりの人生に寄り添いたいと心から願っています。このコラムを読んで、「もしかして自分も…」「パートナーのことが心配…」と少しでも感じたら、どうか一人で抱え込まず、私たちに話を聞かせてください。

    当院は、お仕事帰りに立ち寄りやすい平日夜間や、土日祝日も診療しています。24時間いつでも予約できるWEBシステムもありますので、最初の一歩を踏み出すのは、決して難しくありません。

    人生100年時代。更年期はゴールではなく、新しいステージへの準備期間です。この先の人生を、もっと健やかに、もっと自分らしく輝かせるために、私たちと一緒に、今できることから始めてみませんか。

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